2023年5月に、英国自動車メーカー「ケータハム」は技術開発のコンセプトに「EVセブン」を発表しました。これは、将来、軽量な完全電気自動車のセブンを実現させるためです。
EVセブンの開発が進めば「これまでのセブンとどう違うんだろう?」「どんな車になるの?」と、考えるのではないでしょうか。
本記事では、ケータハムEVセブンの特徴を3つと、EV車のメリットとデメリットを解説しています。
完全電気自動車をまだ身近に感じていない方でも、セブンが好きな方には、運転する機会がくるかもしれません。ぜひ、EVセブンと従来車の特徴を比べてみてください。
Contents
ケータハムからEVモデルが登場
2023年5月に発表されたケータハムEVセブンは、これまでのモデルと同様に、公道でもサーキットでも使用できる車両を目指しています。つまり、20分間のサーキット走行と約15分間の急速充電ができることが必要です。
EVセブンは、ベースとなる従来のセブンから約70㎏の重量増(総重量約700㎏)で実現されており、すでにサーキットでの使用や急速充電にも劣化しない安全性も確認されています。
しかし、現段階ではEVセブンを生産する予定はありません。今後、軽量かつバッテリー技術が向上すれば、詳細が公表されるでしょう。
【EVセブンの仕様】 |
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車両 | ケータハムEVセブン |
バッテリー | 51kWh(40kWh実用可能)
液浸冷却式バッテリー |
チャージング | 最大152Kw DC急速充電 |
重量 | 700㎏未満 |
航続距離 | 約200~250㎞(一般的なEV車40kwhで計算した場合) |
最高速度 | 約209㎞/h(見込み) |
最高出力(bhp/rpm) | 240bhp@9,000rpm |
最大トルク(Nm / rpm) | 250Nm@0rpm |
全長×全幅×全高(㎜) | 約3,350×1,685×1,115 |
サスペンション | ビルシュタイン製アジャスタブル
(420カップより) |
ホイール | 13インチApolloブラックアロイ
(フロント6”・リア8”) |
タイヤ | Avon ZZR |
ブレーキ | 4ピストンキャリパー付ベンチレーテッドディスク |
(参考:ケータハム公式サイト)
ケータハムEVセブンの特徴①【軽量な電気自動車】
ケータハムEVセブンは、軽量な電気自動車を実現できるかどうかを検証する、コンセプトカーです。
ケータハムEVセブンは、最先端の液浸冷却式バッテリー技術と、独自のパワートレイン部品を使用することで、ケータハムが重要視している軽量さと加速性・操縦性などが維持されています。
それは、大型のセブンシャーシをベースにし、専用のE Axel液浸冷却バッテリーパックを組み合わせているからです。E Axelとは、軽量で高出力・省スペースなEV用のモーターシステムのことです。
これらの設計と技術の組み合わせによって、EVセブンの開発がされています。ケータハムは、セブンとは別の完全電気自動車の開発もしており、今後の発表に期待できるでしょう。
ケータハムEVセブンの特徴②【パフォーマンス】
ケータハムのEVセブンのパフォーマンスも、注目するべき特徴です。
EVセブンは、スウィンドン・パワートレイン社と共同開発したパワートレインを搭載しています。
これにより、最大出力は240bhp・最大トルクは250Nmを発生し、0-60mphの加速時間を約4.0秒にしています。
EVセブンの車体重量は700㎏未満となっており、優れた加速力が期待できます。加速力の目安となるパワーウェイトレシオは340bhp/トンです。この数値が高いほど、車両は軽量でパワフルだといえるでしょう。
ケータハムEVセブンの特徴③【急速充電が可能】
ケータハムEVセブンの3つ目の特徴は、急速充電が可能なことです。
EVセブンの液浸冷却式バッテリーは、本来膨大な熱量を発生するスーパーコンピューターなどの冷却に使用されていました。
液浸冷却式バッテリー技術は、電気自動車では最先端技術であり、最適な熱管理と充電速度の向上で、バッテリー寿命の延長ができるようになりました。
51kWhの液浸冷却バッテリーは、最大152kWhのDC急速充電が可能です。今後もこれらの技術が向上すれば、今後追って情報が開示されるでしょう。
ケータハムEVセブンのメリット
ケータハムEVセブンのメリットは、新たな乗り心地を体験できることです。ケータハムは長年、軽量性と優れた操作性を保ってきました。新たなEV技術に組み込むことで、これまでとは違った感覚を味わえるでしょう。
さらに、EVセブンは高いウエイトレシオを持っています。一般的なスポーツカーより軽量であるため、高い加速性能が得られるでしょう。
また、ケータハムEVセブンは完全電気自動車のため、ガソリン車と比べて環境に配慮されているといえます。
このようにEVセブンは、これまでのスーパーセブンの良さを残しつつ、最新技術が使用されたモデルです。
ケータハムEVセブンのデメリット
ケータハムEVセブンのデメリットは、充電場所が少ないことです。現在はまだ販売にまで至っていませんが、充電場所がなければ、電気自動車の利便性を感じられないでしょう。
また、電気自動車は従来のガソリン自動車と異なる技術を使用しているため、専門的なメンテナンスが必要になる可能性があります。
ケータハムのEVセブンは、軽量で高い加速性能を目指しています。そのため、本体価格や維持費が高くなるかもしれません。
今後、EV車の普及することや充電ポイントが増加することで、これらのデメリットはなくなるかもしれませんね。
ケータハムのEV車はどこで購入できる?

ケータハムのEVセブンの開発発表がされましたが、まだ販売の決定はされていません。EV車を購入したい場合は、ケータハムの公式サイトを定期的にチェックして、最新情報を知っておく必要があります。
また、ケータハムのファン同士のつながりがあるのなら、情報交換ができるかもしれません。
ケータハムのEV車は、まずは公式サイトか正規ディーラーから販売されるでしょう。まずは、自宅近くに販売店がないか、公式サイトをチェックしておくことがおすすめです。
- ケータハム公式サイト:CATERHAM CARS
- ケータハムディーラー:店舗一覧
ケータハムスーパーセブンなら、下記の店舗でも販売されていますよ。次の記事もあわせてご覧ください。
購入時の注意点

EV車を運転する場合は、充電場所がどこにあるか確認しておきましょう。また、1度の充電に使える走行距離や充電にかかる時間を把握しておくことも大切です。
また、いつでも相談できるように、EV車のメンテナンスができる自動車整備工場を探しておきましょう。
2023年7月の時点では、EVセブンの実用に向けての発表はされていないため、具体的な価格はわかりません。
しかし、EVセブンは、従来のモデルの走行性能を維持しつつ、電気自動車としての可能性も追求されています。
従来モデルとの乗り心地も含め、自分のライフスタイルに合っているか考えることが大切です。
今後、EVクーペの販売を予定している

2023年7月に英国ケータハムは、EVクーペのコンセプトカーである「プロジェクトV」を発表しています。
プロジェクトVは、ケータハムの伝統的なライトウエイトスポーツカーの価値を維持しつつ、最新の電気自動車の技術を取り入れています。
プロジェクトVは150㎾のDC急速充電器の使用で、15分間で20~80%の充電が可能です。また、推定最高速度は143m/h(230km/h)、WLTP航続距離は249マイル(400km)です。
プロジェクトVは、2025年後半から26年前半に発売予定をしています。価格帯は約8万ポンド未満を目標としていますが、日本での販売予定・販売価格は、まだ発表されていません。
【プロジェクトVコンセプト 仕様】 | |
車両 | ケータハム・プロジェクトV |
全長×全幅×全高(㎜) | 約4,255×1,893×1,226 |
目標重量 | 1,190㎏未満
DIN質量(2+1シートレイアウト) |
バッテリー | Li-ion, 55kWh USOC with advanced thermal management |
目標充電時間 | 15分間で20~80%充電
(150kW DC充電器) |
最高速度 | 約230㎞/h(143m/h) |
最高出力 | 200kW/268bhp/272PS |
コンストラクションタイプ | 革新的なカーボンファイバーとアルミニウムの複合シャシーと複合ボディワーク |
サスペンション | ダブルウィッシュボーン
(フロント・リア) |
タイヤ | 235/35/R19(フロント)
285/30/R20(リア) |
ブレーキ | 4ピストンキャリパー付ベンチレーテッドディスク |
(参考:ケータハム公式サイト)
【まとめ】ケータハムの今後のEV車発表に期待

本記事では、ケータハムEVセブンの特徴3つとEV車のメリット・デメリットを紹介しました。
環境問題への意識の高まりや技術の進化により、今後もEV車の普及が進むと考えられます。自動車メーカーの参入も増加すれば、選択肢も広くなるかもしれません。
2023年7月現在では、ケータハムEVセブンの実用化は未定です。しかし、ケータハムEVクーペのプロジェクトカーである「プロジェクトV」は、販売が予定されています。
EVクーペやEVセブンの購入を検討している方は、まずは公式サイトをチェックしてみてください。乗り心地が気になる方は、すでにEV車を運転している方に聞いてみると良いかもしれませんね。