「タイヤの溝って種類があるの?」「トレッドパターンって聞いたことある!」という方もいるのではないでしょうか。
タイヤの溝はデザインや溝の向きがあるので、様々なトレッドパターンに分けられます。
そこで、本記事ではタイヤのトレッドパターンの種類やデザインの違いについて詳しく解説していきます。
この記事を読めば、タイヤの溝を見ただけで、どんな役割をしてくれるのかわかるでしょう。ぜひご覧ください。
Contents
タイヤのトレッドパターンは「4つの役割」を持っている
トレッドパターンは、以下の4つの役割をもっています。
トレッドパターンの役割
- タイヤの駆動力・制動力・牽引力の増加
- 操縦性・安定性の向上
- タイヤ放熱性の向上
- 排水効果
たとえば、タイヤにトレッドパターンがなかったら、雨の日にスリップしてしまい、事故につながってしまうでしょう。
そのうえ、トレッドパターンの溝があることで、ブレーキの力を地面にしっかりと伝えられるので、制動力を高めることもできるのです。
車を運転するうえで、なんてことない溝が、あなたの運転の安全性を高めているのです。
また、トレッドパターンに刻まれている「サイピング」は、特に重要な役割を持っています。次の項目で伝えていきます。
トレッドパターンの「サイピング」の役割
トレッドパターンに刻まれている細かい溝は、「サイピング」と呼ばれ、タイヤと路面を密着させる役割を持っています。
トレッドに施されている細かい切り込みを「サイピング」と呼びます。参考出典:GOOD YEAR-トレッドパターン より
サイピングはトレッドパターンの太い溝で、逃しきれなかった水を逃しきる役割を持っています。
そして、雨の日でも水をかきだし、タイヤと路面の摩擦を起こして、制動力や駆動力を発揮してくれるのです。
また、スタッドレスタイヤにもサイピングが施してあり、細かくサイピングが動くことで、雪道でも走行性能を向上させる働きもあります。
次に、「トレッドパターンの種類」についてお伝えしていきます。
トレッドパターンは大まかに「2種類」ある
タイヤはトレッドパターンの種類によって、見た目や使うシーンが変わります。
そして、トレッドパターンは大きく分けて、2種類に分けられますよ。
- トレッドパターンの型
- トレッドパターンの溝の向き
「タイヤは全部一緒でしょ?」と思っている方もいるかもしれません
しかし、タイヤはトレッドパターンの、溝一つとっても、走行性能に直結する部分です。
トレッドパターンの種類を確認して、あなたの車にぴったりなタイヤを見つけてみましょう。
トレッドパターンの型は4種類に分けられる
トレッドパターンの型は、以下の4つの種類に分けることが出来ます。
トレッドパターンの種類
- リブ型
- ラグ型
- リブラグ型
- ブロック型
トレッドパターンは、それぞれのシーンに合わせて使用するのをおすすめします。
「思ったよりもタイヤが滑るかな…」と、用途に合わないものを使わないように気を付けましょう。
次に、トレッドパターンの4種類の型を、順番にお伝えしていきますね。
トレッドパターンの型①【燃費性能が良い】
トレッドパターンの型の1つ目である、「リブ型」は一般的なサマータイヤに使われているパターンです。
リブ型は直線やジグザクした溝が刻まれているトレッドパターンで構成されています。
また、リブ型は以下の6つのメリットがありますよ。
リブ型のメリット
- 舗装路に適している
- 運転の安定性が高い
- 燃費が良い
- 走行音が小さい
- 排水性が高い
- 横滑りに強い
また、リブ型のトレッドパターンは、タイヤが転がりやすい形状をしているため、少ない力で走行しやすく、燃費向上につながりやすいです。
「街乗りが多いから、燃費を少しでも良くしたいな。」という方は、トレッドパターンがリブ型のタイヤを選んでみてくださいね。
トレッドパターンの型②【高耐久性のタイヤ】
2つ目に紹介するトレッドパターンの型は「ラグ型」です。丈夫で強いパターンです。
ラグ型はタイヤの進行方向に対して、真横に溝が刻まれているトレッドパターンになっています。
そして、ラグ型は、以下の4つのメリットがありますよ。
ラグ型のメリット
- 悪路や非舗装路に適している
- 駆動力・制動力が高い
- 牽引力に優れている
- 耐久性が高い
ラグ型のトレッドパターンは、主にダンプやトラックなどの工業用自動車に使われているパターンです。
トレッドパターンの型③【2つのタイヤの良いとこどり】
3つ目に紹介するトレッドパターンの型は「リブラグ型」です。
リブラグ型は、リブ型とラグ型のトレッドパターンの溝が混ざっています。
そのため、リブ型とラグ型の両方の優れた性能を持っています。
また、リブラグ型はトラックやバスのタイヤに多く使われているタイヤですよ。
トレッドパターンの型④【駆動力に優れたタイヤ】
最後に紹介するトレッドパターンの型は「ブロック型」です。
ブロック型は、独立したブロックで形作られたパターンになっており、駆動力に優れたパターンですよ。
また、ブロック型は、以下の3つのメリットがありますよ。
ブロック型のメリット
- 雪道や泥道に適している
- 駆動力に適している
- グリップ力に優れている
ブロック型のトレッドパターンは、スタッドレスタイヤやオフロードタイヤに使われています。
トレッドパターンは「3つ」の溝のパターンがある
トレッドパターンは型だけでなく、溝の向きにも以下の3種類のパターンがありますよ。
トレッドパターンの溝の向き
- 非対称パターン
- 方向性パターン
- 対称パターン
トレッドパターンの型と同じように、溝の向きの違いによって、運転性能が変わります。
次に、「トレッドパターンの溝の向きの3つの種類」について、順番にお伝えしていきますね。
非対称パターン
非対称パターンは、左右で模様が違うトレッドパターンになっており、グリップ性能や排水性能の効果を期待できます。
また、非対称パターンは外側のブロックを大きくして、コーナーリング性能を高めています。
非対称パターンのタイヤを取り付ける場合は、外側と内側の向きに気を付ける必要がありますよ。
方向性パターン
方向性パターンは「ワンウェイパターン」とも呼ばれており、進行方向に対して溝が刻まれているトレッドパターンです。
方向性パターンは、低扁平タイヤに多く用いられています。
扁平タイヤとは、タイヤの平べったさを表す扁平率が低いタイヤのことで、扁平率が低くなるにつれて縦に薄くなる一方、横幅が広くなるのが特徴。一般的に55%以下の低扁平なタイヤを扁平タイヤといいます。参考出典:cobby-扁平タイヤとは?薄いタイヤのメリットとおすすめブランド12選 より
もともと排水効果が低い低扁平タイヤですが、方向性パターンの溝のおかげで、高いグリップ力をひきだしているのです。
対称パターン
対称パターンの大きな特徴は、表裏・回転方向に関係なく装着できるところです。
そのため、自分でタイヤ交換する際にローテーションをして、タイヤの方減りを抑えることが出来るでしょう。
「なるべくタイヤを長持ちさせたいな!」という方におすすめなパターンです。
トレッドパターンの「溝の深さ」に注意しよう
トレッドパターンは走るたびに、摩耗してタイヤ表面が削れてしまい、タイヤの溝が浅くなってきてしまいます。
タイヤの溝は1.6㎜以下になると、スリップサインが表れてしまいます。
スリップサインは、タイヤの構内にある盛り上がった箇所のことであり、トレッド全周の4か所~9カ所の範囲に設けられています。参考出典:トラック王国ジャーナル-タイヤのスリップサインの見方を写真でチェック!車検不合格の限界は溝何ミリ? より
スリップサインが出たタイヤで走行することは禁止されており、「道路運送車両の保安基準(※)」の罰則を受けてしまいます。
また、月1回ごとに、自分でタイヤの溝を点検して、安全運転を心がけてくださいね。
トレッドパターンがカッコいい「Sタイヤ」がイチオシ!
「かっこいいトレッドパターンのタイヤを履きたい!」という方は、Sタイヤがおすすめですよ。
Sタイヤは別名「セミスリックタイヤ」「セミレーシングタイヤ」と呼ばれ、モータースポーツシーンで活躍しているタイヤです。
カタログには「競技用」「モータースポーツ用」と書かれていますが、1.6㎜以上の溝があれば、公道でも走行可能です。
あなたの車をひときわかっこよくできるタイヤなので、一度試してみてはいかがでしょうか。
【まとめ】トレッドパターンで車の雰囲気が変わる!
今回は「トレッドパターンの種類やデザインの違い」について詳しく解説してきました。
タイヤのトレッドパターンは、機能面だけではなく、ファッション面も兼ね備えています。
そのうえ、タイヤのメーカーによっても、デザインが変わります。
あなたの車にピッタリなタイヤを探してみてくださいね。