「新しい車検と旧車の車検って同じなの?」「旧車の車検代って高いの?」と疑問を持ったことはありませんか。
一般的な車と違って「旧車は車検が通りにくい」「費用が高い」という噂を聞いた方もいるでしょう。
この記事では、旧車にかかる費用を大きく3つに分けて紹介しています。車検の費用が高くなる理由や、万が一車検が切れてしまったときの対処法もお伝えしています。
旧車の車検内容を知っておけば、旧車を維持する準備ができるでしょう。ぜひ、最後まで読んで参考にしてください。
Contents
旧車は車検に通りにくいのか
車検には、一定の基準が定められています。車が古くなってくると基準を満たせなくなるため、旧車は車検が通りにくいと言われていますよ。
旧車の中には、20年以上経過しているものもあるため、エンジンや部品の傷みが早くなっているものがあります。
タイヤがすり減っていたり、部品が破損していたりするのに気付かないで運転していると、安全性が確保されていない車だとみなされるでしょう。
しかし、旧車でも日頃からメンテナンスを行えば車検を通すことも可能です。整備する部分は多くなるかもしれませんが、憧れの旧車を運転できますよ。
旧車を車検に出すタイミング
旧車を運転しようと考えている人の中には「確か、10年以上経過した車は毎年車検を受けないといけないんだよね…」と思っているのではないでしょうか。
以前は、初年度登録から10年を超えた車は1年に1回の車検が必要でした。
現在は、バスやタクシー・大型トラックなど、営業用車や貨物以外の家庭用普通自動車は「2年に1回の車検」という内容に法改正されています。
いわゆる1ナンバーと呼ばれる車の車検も1年に1回受ける必要があり、3ナンバーの車でも、条件を満たせば1ナンバーに変更が可能です。
1ナンバーは車検回数が多くなるものの、自動車重量税を下げることが可能です。維持費・手数料を含めても、総支出が安くなる可能性があります。
旧車の車検代は高くなるのか
旧車の車検は高くなると言われますが、具体的には何に費用がかかるのでしょうか。実は、車検費用の中の自動車重量税がキーになっているんですよ。
重量税は平成27年に、CO₂の排出量が少なく燃費の良い電気自動車やハイブリッドカーなどの「エコカー」が優遇される税制になりました。
自動車重量税は、自動車の区分・重量・経過年数によって課税される金額が違います。旧車は、自動車重量税が重課される初年度登録から13年以上経過している車が該当します。
エコカーは、初年度登録から13年経過していても税率が上がらず、旧車との重量税の差は大きくなるでしょう。
重量税は車検費用が高くなる原因かもしれませんが、車検さえ通れば旧車を乗り続けることも可能です。
旧車の車検にかかる費用は3つ
旧車にかかる車検費用は、大きく3つに分かれます。
- 法定費用
- 検査料
- 整備費用
法定費用や検査料は費用項目が決まっているため、どれくらいの費用が必要か予測ができます。
しかし、検査料や整備費用については、点検してみないと分かりません。整備する場所が多いと、部品交換や工賃にお金がかかってしまいます。
旧車の検査料は、扱う店舗によって点検か所が違います。店舗特有のサービスやプランもありますので、1度点検してみてもいいかもしれませんね。
旧車の車検にかかる費用①【法定費用】
1つ目に紹介する、旧車の車検費用は「法定費用」です。法定費用は、車検で必ず支払う費用で、自動車税や保険料が含まれます。
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 印紙代(検査手数料)
法定費用は上記のように3つの項目に分かれています。
自動車重量税
自動車重量税は、車検証に書かれている車種・重量・初年度登録から経過した年数で決められたものです。
初年度登録から13年以上18年未満経過した車に重課され、18年以上経過するとさらに増税されます。
たとえば、1.5トンの車は新規登録から13年未満だと24,600円になりますが、13年以上経過すると32,400円、18年以上になると37,800円に値上がりします。
自賠責保険料
自賠責保険料は、所有者に加入が義務づけられている損害保険料です。自賠責保険料は旧車も新車も値段に変わりはありません。自家用乗用自動車で約21,000円です。
印紙代(検査手数料)
印紙代は検査手数料と呼ばれることもあります。依頼先や車種によって変わりますが、1,400~1,800円程度準備しておくと良いでしょう。
旧車の車検にかかる費用②【検査料】
2つ目に紹介する、旧車の車検にかかる費用は「検査料」です。検査料は公道を走るために必要な点検・整備の費用です。
検査は、安全基準が満たされ道路を走れる状態かチェックし、法定24か月点検では、車が故障する可能性が高くないかチェックしています。
検査料は、車検に出す店舗によって変わります。車種にもよりますが、およそ8万円~10万円かかるでしょう。
定められている検査内容の他にも、店舗によってオプションで付けられるところもあり、さらに費用がかかるかもしれません。
旧車の車検にかかる費用③【整備費用】
3つ目に紹介する、旧車の車検にかかる費用は「整備費用」です。検査と点検をしたときに、劣化した部品や消耗しているパーツがあれば交換します。
法定基準をクリアしていれば車検は通りますが、傷みの進んでいる部品があれば基準値内でも前もって交換し、事故が起こらないようにしてます。
修理する場所や交換するパーツが多くなると、部品代や工賃にお金がかかるかもしれません。日頃からこまめにメンテナンスをしておけば、ある程度の整備費用は抑えられますね。
旧車の車検はどこで受けられる?
旧車の車検は、どこのカーショップやディーラーでも受けられるのか、気になる方もいるかもしれません。
旧車は現代の車と構造が違うため、一般的な整備工場では断られてしまうことがあります。旧車を購入した店舗に尋ねてみるか、旧車専門店やレストア対応ができる店舗なら引き受けてくれるかもしれません。
すでに購入した店舗がなくなっていたり、近くに旧車専門店が見つからなかったりする場合は、1度旧車専門雑誌やインターネットで探してみることをオススメします。
インターネットには、旧車を扱っているサイトやコミュニティがありますので、詳しい方から良い方法が聞けるかもしれませんよ。
旧車の車検が切れたときは
長く運転していなかったなどの理由で車検が切れてしまった場合、公道を走れなくなってしまいます。
もう一度運転できるようにするには、以下の2つの方法で車検の受け直しをしましょう。
- 整備工場に運搬を依頼する
- 仮ナンバーを取得し自分で持ち込む
整備工場に運搬を依頼する
車検が切れた車は公道を走れないため、車検を整備工場へ依頼し、キャリアカーなどで運んでもらいましょう。運搬を依頼した場合は、車検代のほかに陸送費がかかります。
仮ナンバーを取得し自分で持ち込む
再度車検を受ける場合、市町村の窓口で仮ナンバーを取得し、整備工場に持ち込む方法もあります。
仮ナンバーの取得には、印鑑・車検証の原本・運転免許証などの本人確認書類が必要です。
仮ナンバーには使用期限があり自治体によって期限の長さが違いますので、必ず確認してください。仮ナンバーは車検を受けることが目的です。目的以外の使用はせず、速やかに車検を受けてくださいね。
【まとめ】旧車の車検費用は定期的な点検で抑えられる
この記事では、旧車にかかる車検費用を大きく3つに分けて紹介しました。旧車は、現代の車より整備するところも多く重量税が上がってしまうことから、車検費用が高くなると考えられます。
しかし、車検期間ギリギリになったり管理しきれなくなってしまったりすると、車検が切れて公道の運転ができなくなってしまいます。
再び運転できるようにするためには、整備工場に運搬を依頼するか仮ナンバーを取得して、車検の受け直しをしてください。
旧車は、現代車と比べると車検費用が高くなるかもしれません。しかし、メンテナンスを定期的に行えば、現代の車にはない運転の楽しさを長く味わえますよ。