「旧車の取引価格のバブル崩壊が起きている」と耳にした方は多いのではないでしょうか。
中古車市場では現在、供給が間に合ってきており、取引価格の変動が落ち着きつつあります。全体の中古車市場が落ち着いてきているため、旧車の価格も連動している現状ですよ。
本記事では、旧車のバブルが崩壊する理由や、価格変動が起きてしまう原因についてお伝えしていきます。
この記事を読めば、旧車のバブルが起こるタイミングや崩壊する原因について分かり、あなたの求める車両の買い時が分かるかもしれませんよ。ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
旧車の取引価格はバブルが崩壊してきている?
結論として、旧車の取引価格はバブル崩壊してきており、全体の中古車平均販売価格が下がってきていますよ。
近年では、コロナ自粛の影響により、中古車の平均取引価格が100万円を超えたと言われており、2022年には120万円に到達した(※)そうです。
(※)出典:カレント自動車株式会社 より
しかし、コロナ自粛の緩和や中古車の供給がされてきたことなどの要因から、旧車をはじめとする中古車の取引価格のバブル(高騰)が崩壊してきたのでしょう。
旧車のバブルが崩壊してきている理由
- 中古車の供給がされてきた
- ドライビングシミュレーターの台頭
- 高騰していた価格が落ち着いてきた
「じゃあ、実際のところ、どんなふうにバブルが起きて崩壊してきたのかな」という背景を次の項目から紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
旧車のバブルが崩壊する理由①「中古車の供給がされてきた」
まず初めにお伝えする、旧車のバブルが崩壊する理由は、「中古車の供給がされてきた」ことですよ。
前述のように、コロナ渦で中古車の需要が高まり、一時平均取引価格が120万円に達したとお伝えしました。
そもそもの需要が高まったきっかけとしては、コロナ渦を始めに新車販売台数が減少。新車の納期が長期化しました。
2022年の新車販売台数が420万台。2021年に比べて6%減。2019年から比べると20%の減少です。
トヨタで人気車種を新車購入したところ半年~1年待ちという話を聞いたことがあるでしょう。
納車が待てずに中古車への注目が集まり、需要が高まった結果、中古車の取引価格が高騰したのかもしれません。
現在では、車を求める顧客に対して、新車や中古車が供給されてきたため、販売価格が落ち着いてきたのでしょう。
旧車のバブルが崩壊する理由②「ドライビングシミュレーターの台頭」
次にお伝えする、旧車のバブルが崩壊する理由は、「ドライビングシミュレーターの台頭」が1つです。
昨今のテクノロジーの発展によって、現実に近い体験が可能になったドライビングシミュレーターの普及が記憶に新しいでしょう。
ドライビングシミュレーターの市場規模は、2020年の15億ドルから年平均成長率7.2%で成長し、2025年には21億米ドルに達する(※)と予測されています。
(※)Response より
最新のドライビングシミュレーターは、VR空間の中で運転するだけでなく、車両重心やタイヤのグリップ感を体で感じられるため、言わば五感を使って実車そのものを操っているとも言えます。
また、「湾岸ミッドナイトの悪魔のZで首都高を運転したい」「ワイスピのブライアンみたいにR34をカスタマイズしてカーチェイスしたい」といったロマンもシミュレーターで叶えられますよ。
このように実車を購入せずとも、シミュレーターで憧れの旧車を何台も運転できるようになったことが買取価格が落ち着いた要因になるでしょう。
旧車のバブルが崩壊する理由③「価格高騰が落ち着いてきた」
3つ目にお伝えする、旧車のバブルが崩壊する理由は、「価格高騰が落ち着いてきた」ことですよ。
中古車の供給が追いついてきたことで価格高騰が落ち着いてきたとお伝えしてきました。
中古車全体の価格高騰が落ち着いたことで、旧車の取引価格も連動して下落につながっています。
中古車の価格は上がったり下がったりを繰り返しながら変動しています。言い換えるなら、細かいバブルと崩壊が起きているのでしょう。
2022年の買取価格が120万円とピークに達していましたが、その後100万円前後に落ち着いてきました。
しかしながら、人気な旧車はスカイラインGTRのように取引価格が高止まりをしているので、高くなる前に入手しておくのがいいかもしれませんね。
人気な旧車の取引価格の移り変わり | |||
新車時 | 3年前 | 現在 | |
スカイラインGTR(BNR34) | 499万 | 700万 | 1200万 |
スープラRZ-S(80) | 407万 | 350万 | 800万 |
シビックタイプR(EK9) | 239万 | 220万 | 350万 |
シルビアスペックR(S15) | 199万 | 150万 | 300万 |
旧車のバブルは今までいつ起きていた?
そもそもの旧車のバブルは、過去にも幾度か発生しています。
筆者の主観にはなりますが、経済成長期や文化的な影響、社会情勢などが中古車・旧車の市場に大きく影響し、時代によって価格が大きく動いてきたようにも思えます。
旧車のバブルが起きたきっかけ
- 1990年 高度経済成長期
- 2000年 映画や漫画・アニメ
- 2020年 コロナ自粛期間
- 2020年 カーボンニュートラル
最近では、カーボンニュートラルの動きやコロナ自粛による、個人の趣味嗜好が旧車にむけられたことがバブルにつながったのかもしれませんよ。
1990年 高度経済成長期
日本の高度経済成長期は、多くの人々を豊かにし、個人が趣味や好きなことにお金を使えるようになりました。
憧れの車に乗れることだけでなく、高級車や希少車を購入すること=投資という考え方をされるようになったのはこの高度経済成長期からでしょう。
フェラーリなどの超高級車をリセールバリュー目的で購入する富裕層は今でも一定数いるそうですね。
2000年 映画や漫画・アニメ
旧車好きや車好きからすると「イニシャルD」や「ワイルドスピード」はいわば登竜門的な存在なはずです。
そのほかにもたくさんの映画や漫画・アニメにも名車・珍車が登場しているため、イニDやワイスピだけが影響作ではないはず。
このように映画やアニメが旧車人気の火付け役になり、若者を中心に旧車への関心が高まりました。
2020年 コロナ自粛期間
新型コロナウイルスの影響で、自宅で過ごす時間が多くなった方もいるでしょう。
屋外でのアクティビティに制限がかかった時期に、車いじりやドライブを楽しむ人たちの間で旧車への関心が再燃しました。
「暇な時間ができたからあこがれていた車を所有してみようかな」という動きが1つの要因につながったのかもしれませんね。
2020年 カーボンニュートラル
「2035年にガソリン車の販売をやめる」というセンセーショナルな宣言を聞いてびっくりした方も多かったのではないでしょうか。
これから生産される車はハイブリット・電気自動車・水素自動車などに限定されるため、ガソリンで走る旧車に注目が集まりつつありますよ。
極端な言い方になるかもしれませんが、ガソリンを使う旧車を所有する最後のチャンスと捉える方が多くなり、取引価格が上昇したのかもしれませんね。
アメリカの「25年ルール」も旧車の取引価格に影響
旧車のバブルが起きたきっかけは、アメリカの25年ルールも関係しており、規約から外れた旧車が海外で人気が出る傾向にありますよ。
トヨタスープラやスカイラインなどの旧車で25年ルールから外れた車両は、今でも人気がありますよ。
ちなみに、これからアメリカの25年ルールが外れる予定がある車両は、以下の通りですよ。
25年ルールが間近な旧車
- 1999年製 スカイラインGTR34、ホンダS2000
- 2002年製 マツダアテンザ、ホンダアコード
- 2005年製 マツダロードスター
- 2006年製 トヨタセリカ ホンダインテグラ
- 2007年製 ランサーエボリューションX、スバルインプレッサWRX STi
- 2009年製 レクサスLFA
国産旧車は特に人気が高く盗難被害も多発している
日本産の旧車で、25年ルールが解除されたスポーツカーやランドクルーザーなどのSUV車は、人気であると同時に多くの盗難被害が起きているんですよ。
スカイラインGTRやスープラなどのJDMは、海外で1000万円以上の価格で取引されており、窃盗グループからしたら動く金塊ともいえるでしょう。
ランドクルーザーに関しては、その耐久性と走破性から中東の紛争地域で人気であり、年式問わず窃盗被害に遭っているんですよ。
そのため、もしあなたが人気な旧車を所有することを考えていたら、車両購入金額や維持費だけでなく「窃盗被害に遭わない対策」を同時に講じておくことをオススメします。
旧車にかかる維持費を0円にする方法を活用しよう
これから旧車に乗ることを考えている方は、維持費を0円にする裏技を活用することをオススメしますよ。
旧車は年式やメーカー問わず、年間でも最低20万円以上の維持費がかかるでしょう。
新車よりも故障するリスクが高く、部品交換・修理費用が別途発生するとなると、倍以上の維持費がかかるかもしれません。
長く乗り続けるうえで、維持費を確保しておくことで泣く泣く手放すことも少なくなるでしょう。
以下の記事では、旧車にかかる維持費を相殺できる節約方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【まとめ】旧車はバブルと崩壊を繰り返しされ価格変動する
本記事では、旧車のバブル崩壊が起きた理由と、価格変動が起きる原因についてお伝えして来ました。
時間が経過するにつれて、旧車の市場価値は変動します。経済的、文化的、社会的要因に左右される中で、オーナーは維持できるか判断する必要があるでしょう。
せっかく旧車を所有したとしても、維持費を確保できなくて泣く泣く手放すなんてことは避けたいですよね。
ぜひ本記事で紹介している、旧車の維持費節約方法を活用して、楽しいクラシックカーライフを送ってくださいね。