ドライブレコーダー(ドラレコ)を取り付けても「当て逃げの犯人は捕まらない」という噂を耳にしたことはありませんか。
車と自分の安全を守るために設置したドラレコ。ドラレコが普及しているのにもかかわらず、当て逃げ犯が見つからないケースは意外に多く存在しています。
そこで本記事では、当て逃げがドラレコでは捕まらない理由を5つ紹介しています。
当て逃げがドラレコで捕まらない理由5選
- 当てられた瞬間が撮影されていない
- 画像が不明瞭
- データが消えてしまった
- 軽い衝撃では反応しない
- 証拠が不十分なため
適切なドラレコの選び方や、当て逃げを目撃したときの対処法も紹介しています。今よりも安心してドライブを楽しむためにも、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
当て逃げがドラレコで捕まらない理由①【当てられた瞬間が撮影されていない】
1つ目に紹介する、当て逃げがドラレコで捕まらない理由は「当てられた瞬間が撮影されていない」からです。
ドラレコは通常、車の前方や後方を中心に録画しています。しかし、当て逃げの場合、車の前後だけでなく側面からの事故で傷がつくケースもあるんですよ。
ドラレコのカメラの撮影範囲外で事故が起きた場合、当てられた瞬間が撮影されていないことになります。
カメラ外で起きた場合、音声や振動で事故発生が確認できるかもしれません。しかし、事故の瞬間が撮影されていないため、証拠にならないようです。
当て逃げがドラレコで捕まらない理由②【画像が不明瞭】
2つ目に紹介する、当て逃げがドラレコで捕まらない理由は「画像が不明瞭」な点です。ドラレコは長時間撮影するために、画質を落として録画されています。そのため、画質が悪く映像がぼやけてしまうことがあるんですよ。
ナンバープレートや犯人の顔が不鮮明になるため、犯人特定に必要な情報が得られないかもしれません。
また、当て逃げは昼間だけでなく夜間や悪天候の日に起きる場合もあります。暗い場所での撮影は、とくに画像の読み取りが難しくなるでしょう。
最近のドラレコは4Kに対応しているモデルも多く、ナンバープレートや人の顔も鮮明な記録が残せます。高額になりますが、万が一の証拠として役立つかもしれませんね。
当て逃げがドラレコで捕まらない理由③【データが消えてしまった】
3つ目に紹介する、当て逃げがドラレコで捕まらない理由は「データが消えてしまった」からです。ドラレコの録画容量は限りがあるため、新しい映像を保存するために自動的に古いデータに上書きします。
そのため、事故発生から時間が経過してしまうと、記録された映像に上書きされ、大切なデータが消えてしまうかもしれません。
ですから、事故が起きたときは録画機能を停止するか、予備のSDカードを準備しておいて交換するとよいでしょう。
SDカードの破損や紛失が心配な方は、パソコンに取り込んでバックアップをしておくことが大切です。
当て逃げがドラレコで捕まらない理由④【軽い衝撃では反応しない】
4つ目に紹介する、当て逃げがドラレコで捕まらない理由は「軽い衝撃では反応しない」点です。ドラレコには一般的に衝撃によって作動する機能が搭載されています。
車の衝撃で録画する機能が搭載されているものの、軽い衝撃では反応せず、録画開始しない場合があるんですよ。
ドラレコによっては、センサーの感度を調整できるかもしれません。感度を高くし過ぎると、路面の段差や振動まで感知して、誤作動が起きやすくなるかもしれません。少しずつ調整して、適度な感度にしてみましょう。
また駐車場に止めるときは、店や駐車場の防犯カメラの画角内に駐車することもおすすめです。
当て逃げがドラレコで捕まらない理由⑤【証拠が不十分のため】
5つ目に紹介する、当て逃げがドラレコで捕まらない理由は「証拠が不十分のため」です。ドラレコは当て逃げのほか、煽り運転や車上荒らしなどの証拠に役立つものです。
同じ事故でも「ひき逃げ」は、事故の重大性から積極的に捜査が行われます。一方、当て逃げは捜査の優先度が下がってしまうため、ドラレコの証拠が不十分であれば、警察は積極的な捜査をしない場合があるからです。
先にも紹介したように、ドラレコの種類によっては画像が粗いものや事故状況が撮影されていない場合があります。警察にとっては、ほかの証拠がなければ捜査は難しいといえるでしょう。
ですから、警察に証拠を提出する際には目撃者の証言や車両の損傷の写真・店の防犯カメラなどの複数の証拠を集めることが重要です。
複数の証拠を組み合わせで事故の状況が明確になり、加害者を特定する手掛かりが得られるでしょう。
当て逃げの証拠にはドラレコ選びが重要!
当て逃げの証拠として有効なドライブレコーダー(ドラレコ)。しかし、同じドラレコでも、当て逃げの証拠として役立つ機能が搭載されているモデルを選ぶことが重要なんですよ。とくに次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 夜間撮影可能
- 振動感知録画
- 360°撮影機能
夜間でも鮮明に撮影できるドラレコは、高感度センサーや良質なレンズを使用しています。そのため、明るさが少ない夜間や早朝に発生した物損事故でも、撮影が可能です。
ドラレコの記録を効率良くするためにも、振動感知録画機能は必要です。とくに駐車中に有効で、衝撃を感知した瞬間から記録されるため、事故の状況や加害者の特定に役立つでしょう。
360度の範囲をカバーするドラレコは、車両の前後左右すべての記録が可能です。これは、側面からの接触や車両の周囲の状況も撮影可能なんですよ。
これらの特徴を備えている「ドライブレコーダーSINCA(シンカー)」がおすすめです。万が一に役立てられるドラレコの設置を検討してはいかがでしょうか。
当て逃げをするとどんな罪になる?
当て逃げをした場合、道路交通法の「報告義務違反(第72条1項)」と「危険防止等措置義務違反(第119条1項10号)」に該当します。詳しい刑罰は、次のとおりです。
刑事罰 | ・報告義務違反:3カ月以下の懲役または、5万円以下の罰金
・危険防止等措置義務違反:1年以下の懲役または、10万円以下の罰金 |
行政罰 | ・危険防止等措置義務違反:5点加算
・安全運転義務違反:2点加算 |
報告義務違反は、事故が起きたことを警察に報告しなかったときに該当します。危険防止措置義務違反とは、後続車の運転の妨げにならないようにするといった行為をしなかったときです。また、違反点数の合計が6点以上で免許停止30日の処分対象にあたります。
一般的に物損事故では、刑事罰や行政罰はありません。物損事故を起こしたときは、速やかに警察に連絡するようにしましょう。
当て逃げを目撃したら?
万が一、他の人が当て逃げされているのを目撃したときは、どのような行動をすると良いのでしょうか。自分の車が目の前で当て逃げされたときにも有効ですので、覚えておくと良いですよ。
まずは犯人の車の車種やナンバープレート・色・車の特徴などをメモします。可能であればスマホで撮影し、逃走した方向を覚えておいても良いでしょう。
警察に目撃したことを申し出た場合、事情聴取を受ける可能性があります。しかし、警察に連絡先を伝えておけば、被害者に連絡を取らなくてもかまいません。
また当て逃げを目撃しても、必ず証言をする義務はないんですよ。先ほど紹介した刑罰は、事故を起こした人のみが該当するものですので、何もせずに立ち去っても問題ないんですよ。
当て逃げには時効がある
当て逃げの時効は3年とされています。しかし、当て逃げの場合犯人が特定されていない場合もあるでしょう。犯人が見つからないときは、時効は中断されるんですよ。
ですから、当て逃げの場合、犯人が特定された日の翌日から起算して3年間となっているため、注意が必要です。
損害賠償請求の時効は、不法行為のときから20年となっています。当て逃げでは犯人特定に時間がかかるため、時効は20年だと考えても良いかもしれません。
当て逃げには時効がありますが、そもそも物損事故の場合、危険予防措置義務違反と報告義務違反をしなければ、刑罰はありません。ですから、事故を起こしたときは速やかに警察に連絡することが大切です。
【まとめ】当て逃げの犯人はドラレコの証拠では捕まらないというのは間違い!適切なモデルを選ぼう
本記事では、当て逃げがドラレコでは捕まらないといわれる理由を5つ紹介しました。ドラレコが普及するにつれて、当て逃げの犯人特定にひと役買うケースが増えています。
ドラレコは事故の状況や犯人の車種やナンバーまではっきり記録されています。しかし、すべてのドラレコがうまく記録されているわけではなく、保存方法や撮影の状況によっては解決できなくなるでしょう。
物損事故を警察に報告すれば、罪に問われることはありませんよ。後日でも必ず警察に連絡するようにしましょう。
ドラレコを設置していても、当て逃げに対応したモデルの使用が肝心です。適切なドラレコを選び、万が一に備えるようにしてくださいね。